【現役CAが教える】飛行機で使えるベビーベット(バシネット)の利用方法・注意点を徹底解説

ゆりか

こんにちは、ゆりかです。
今回は、飛行機で使えるベビーベッドの使い方や注意点を解説するよ。

赤ちゃん連れ

今度、赤ちゃんを連れて
飛行機に乗ることになったけれど、

・ずっと抱っこをしているのは大変だなぁ
・赤ちゃん用の席を買うのはもったいない
・機内にベビーベットがあるのって本当?

・ベビーベットって誰でも使えるの?


これらの悩みを一緒に解決していきましょう!

生後数ヶ月の赤ちゃんを連れて飛行機に乗るのは、想像するだけでも大変ですよね。機内には、家族で快適に過ごせる快適グッズが沢山あるのです!
今回は、その中の1つ『機内用のベビーベット』(以下ベビーバシネットと呼びます)について解説します。

目次

機内で利用できるベビーバシネット

機内で使用できるベビーバシネット


多くの航空会社では、お客様に貸し出す赤ちゃんのベッド(ベビーバシネット)を用意しています。日系の航空会社であるJALやANA、また国際線など長距離を飛行する外資系航空会社でも貸し出しを行っています。

JALでは国際線のみ、ANAでは一部の小型機を除く機材で使用可能です。LCCの航空会社では、もともとベビーバシネットがない会社もあるので、詳しくは各航空会社の公式HPでご確認ください。

バシネットが利用できる赤ちゃんの条件

バシネットが使える赤ちゃんの条件


機内でベビーバシネットを利用するには、航空会社ごとに様々な条件があります。また会社ごとにバシネットの大きさが異なるので、赤ちゃんの体重や身長の制限が細かく決められています。以下で、主要な航空会社の条件を確認しておきましょう。(2020年9月調べ)

航空会社別

スクロールできます
年齢制限体重制限バシネットの大きさ備考
JAL2歳未満10.5kg長さ:約72cm・幅:約30cm・
深さ:約15cm
国際線のみ
(国内線は利用不可)
ANA制限なし10kg長さ85cm・幅45cm・
深さ33cm
ファーストクラスは使用不可
ピーチ貸し出しなし
スカイマーク貸し出しなし
ジェットスター2歳未満明記なし明記なしボーイング787型機で運航
する国際線のみ使用可能
シンガポール航空制限なし14kg長さ768mm ・幅298mm・
深さ 158mm
エミレーツ航空2歳最未満11kg長さ75 ・幅33・深さ 22 cm
ユナイテッド航空明記なし10kg長さ74cm ・幅28cm
デルタ航空明記なし9kg明記なし身長66cm以下
ハワイアン航空2歳未満9kg長さ81cm・幅36cm・深さ17cm
キャセイパシフィック航空6ヶ月未満12kg長さ76.2cm・幅38.1cm深さ・20.32cm

飛行機は数ヶ月前に予約することが多いですよね。当日『赤ちゃんの体重がオーバーしてしまった!』ということも多いので、飛行機に乗る日の赤ちゃんの体重を予想して、予約をすることをおすすめします!

ゆりか

航空会社によって規定が異なるので、乗り継ぎがある時にも注意しましょう

シンガポール航空ではバシネットが使えたけれど、ANAでは体重がオーバーして使えなかった、、何で?とならないように事前に確認しておくと安心です◎

バシネットが使える席・使えない席

次に、ベビーバシネットが設置できる席とできない席を確認しましょう。

バシネットは、基本的には機内の壁に客室乗務員が取り付けます。なので、どの座席でも使える訳ではありません。また、機内には設置できる壁の数、搭載されているバシネット数にも限りがあるので、予約すれば必ず使えるというものでもありません。

以下、JALさんの機内図をお借りして解説します。

出典:JAL公式HP 機内配置図


オレンジ色の枠で囲った所が、バシネットを設置できる席です。

この飛行機では、ファーストクラスに1台、ビジネスクラスに2台、プレミアムエコノミークラスに2台、エコノミークラスに5台設置できるという見方です。

バシネット利用上の注意点

バシネット利用上の注意点
出典:JAL公式HP

次は、実際にバシネットを利用するときの注意点を確認していきましょう。

利用できる時間

バシネットは、もともと席に取り付けてあるのではなく、離陸後気流が安定してから取り付けます。

\ ベビーバシネットを利用できる時間 /

  • 国内線離陸してベルト着用サインが消灯してから、概ね着陸30分前まで
  • 国際線離陸してベルト着用サインが消灯してから、概ね着陸1時間前まで


ベビーバシネットは、安全上の理由で、地上や離着陸時には利用できません。ですので、国内線などの飛行が短い路線だと利用できる時間が極端に短くなってしまうことも…

実際の利用時間は、
国内線搭乗券に記載されているフライトタイムから30分〜45分ほど引いた時間
国際線搭乗券に記載されているフライトタイムから1時間〜1時間20分ほど引いた時間
と、考えておくと安心です。

赤ちゃん連れ

東京から北海道までの飛行時間は1時間30分か。
バシネットを使える時間は1時間くらい…
それなら抱っこしていた方が楽かなぁ〜。

赤ちゃんを寝かせる向き

これは、ベビーバシネットを取り付ける際、客室乗務員から説明があると思います!赤ちゃんをバシネットに寝かす時は、必ず頭を座席側(通路側と逆の向きにしてください。

通路は、サービスで使うカートや一般のお客さんも頻繁に行き来します。もちろん乗務員は、カートを使用する際には最新の注意を払っていますが、万が一のことを考えて赤ちゃんの安全を守っておきたいですね。

また、赤ちゃんが眠ったら、バシネットに付属の安全カバーをかけます。

バシネット利用上の注意点

▲写真のオレンジの部分にベルトがついていて、これは座席のシートベルトと同じ役割を果たします。急に揺れた場合にも赤ちゃんの落下を防ぐことができるので必ずしめておきましょう。

サークル代わりにしない

バシネットの設置が完了したけれど、赤ちゃんはとっても元気。まだ寝そうにないし、とりあえずバシネットで遊ばせておこうかな、、と考えてしまいがちですが、これは本来のバシネットの使い方ではないので、とても危険です!

バシネットにもシートベルトがついていますが、あくまで寝てから使用できるものです。
また、バシネットは特殊なピンを壁に差して設置しています。赤ちゃんが動き回ったり、暴れたりした場合、全く外れないとは言い切れません。

ゆりか

赤ちゃんの安全を守るために、眠ってから使用するようにしましょう。

ベルト着用サイン点灯中は利用不可

強い揺れが発生した時には、機長の判断でベルト着用サインが点灯します。客室乗務員も含め、お客様全員が席に座ってシートベルトを締めなければなりません。

その際、赤ちゃんはすぐに赤ちゃんを抱っこをしてください

今までに体験したことがないくらい激しい揺れが起こることもあります。バシネットには安全カバーが付いていますが、バシネット内で赤ちゃんが跳ね上がってしまうこともあります。

バシネットを利用するメリット・デメリット

色々と利用条件があるバシネットですが、上手に使えばとても便利です◎バシネットを利用するメリットをまとめると、このようになります。

\ メリット /

  1. お父さんお母さんの手が空く
    ・フライトの時間が長いと、ずっと抱っこをしているのは大変ですよね。座席のテーブルが出せず、飲み物や食べ物が食べられない時もあります。そんな時少しの時間だけでもバシネットに寝かせられたら、お父さんお母さんも自由な時間が過ごせます。
  2. バシネットを設置する席は足元が広い
    ・バシネットを設置できるのは、前が壁の席のみです。なので他の席よりも少し足元が広い作りになっています。赤ちゃんを抱いて席を立つ場合や、荷物を取り出す時など、足元が広いと格段に楽になります。
  3. おもちゃなど必要なものを置いておける
    ・おもちゃやお菓子、タオルなど赤ちゃんがいると手元に置いておきたいものが沢山ありますね。頭上の物入れからカバンをおろして取るのも大変だと思います。そんな時、目の前のバシネットに必要なものを置いておけば、必要な時すぐに取り出せてとても便利です。※これはあくまで、赤ちゃんが寝ていない時の使用法です!バシネットの体重制限を超えないように注意が必要です。

メリットが多いバシネットですが、デメリットもあります。

\ デメリット /

  1. 足元に荷物が置けない
    ・メリットで説明した通り、足元は広いのですが、その代わり壁のすぐ後ろの席は、足元に荷物が置けません。普通の席では、前に座席の下に荷物を収納し、急な揺れでも荷物が飛び上がらないようになっていますが、前が壁の場合には収納する場所がないので、荷物はすべて頭上の物入れに入れる決まりがあります。
  2. テーブルやテレビが出しにくい
    ・機材によりますが、バシネットを設置する席のテーブルとテレビは、肘掛を開けて持ち上げて出すタイプが多いです。通常の席では、前の座席にテレビが設置されていて、いつでも映画やテレビを観れますが、肘掛から出すタイプのものは、離着陸時にしまわなければならない、という航空法に基づいた安全上のルールがあります。

バジネットの予約方法/料金

気になるバシネット利用の料金ですが、

基本的には無料です!

バシネットの利用料金は、幼児運賃に含めれているとされています。JALを例に挙げると、

出典:JAL公式HP お子さまの国際線ご利用についてのご案内

オレンジ枠の部分、「幼児運賃は大人運賃の10%でご利用いただけます。」とあります。つまり、この幼児運賃にバシネットの料金も含まれているということになります。
しかし、これは航空会社により多少異なります。外資系航空会社では、バシネットを利用できる席を予約するために追加料金が掛かる、ということもあります。詳しくは、予約する際に直接航空会社にお尋ねください。

まとめ


赤ちゃんとのお出かけは、楽しみも多い分、負担や不安も多いですよね。現役客室乗務員として、少しでも快適な空の旅がお手伝いできたら嬉しいです。

ゆりか

最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

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