【飛行機のプロが教える】飛行機での体調不良を防ぐ方法と対処法

ゆりか

こんにちは、ゆりかです。
今回は、航空会社で5年以上勤務の経験あり◎
プライベートで飛行機には300回以上搭乗◎
自称、飛行機のプロが
【飛行機での体調不良を防ぐ方法と対処法】
を丁寧に解説するよ。

困っている人

実は僕は、飛行機が苦手なんだ…
乗り物酔いしやすい体質だし、
飛行機の中で体調が悪くなったらどうしよう…を入力

この記事を読んで分かること
  • 機内で起こりやすい体調不良にはどのようなものがあるのか
  • 機内の気圧と酸素濃度について
  • 機内で起こりやすい体調不良の予防法と対処方法
目次

はじめに

はじめに


皆さんは、飛行機で体調が悪くなった経験はありますか??

ないに越したことはないのですが、飛行機内は地上と環境が違うので、持病がない方や乗り物酔いなんてしたことないから大丈夫◎
と思っている方でも、急に体調が悪くなってしまうことがあります。

よほどのことがない限り、体調が悪くなったからと言って、飛行機を降りることはできません。だからと言って、到着地までの長い時間、ずっと我慢をするのも辛いですよね。

なので、今回は、実際に現場で起きていることを参考に、機内で起こりやすい体調不良の予防策、またその対処法を紹介します。

注意事項

この記事で紹介することは、私の実体験に基づいたもので、医学的根拠はありません。予防法や対処法なども、効果的だという保証はないので、ご了承ください。

飛行機での体調不良を防ぐ方法と対処法

飛行機での体調不良を防ぐ方法と対処法


それでは、ここからは実際の症状を例にあげて解説をしていきます。


今回、紹介する症状は、実際に私が現場で何度も経験した事例ばかりです。
これらの症状は、ほとんどが「気圧」と「酸素濃度」に関係があるので、まずは地上と機内の違いから解説をしていきます

気圧とは?

気圧とは、大気中の圧力の強さを意味していて、簡単に言うと空気の重さのことです。気圧は、地上に近付くほど高く、高度が高いほど低くなります。
飛行機の中や、山の上でポテトチップスの袋がパンパンになりますよね?
それは、ポテトチップスの中の気圧が、その場所の気圧より高く、袋にかかる空気の圧力が小さくなることで起こる現象です。

これが、機内では人間の体にも起こるんです。。。

機内の気圧

怖いことを言いましたが、空中にいる飛行機内の気圧は、大体富士山5合目と同じ、標高約2000mにいるのと同じくらいなんです。
気圧の変化は、離陸後の上昇中や、着陸前の下降中に起こります。その時、体内のガスが膨張し、内臓などを圧迫することで、様々な不調が現れます。具体的には、航空性中耳炎や歯痛、酷い場合には呼吸困難に陥ることもあります。

気圧と酸素濃度の関係

気圧が低くなると、空気中の酸素濃度も地上の約70%〜80%くらいに低下します。すると、酸欠状態に陥り、体内の血液循環が悪くなります。

それによって自律神経の働きが乱れ、肩こりや頭痛、吐き気、だるさ、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。呼吸器や心臓、脳血管に不調がある方は、酸素濃度の低下により、特に強い影響を受けてしまいます。

それでは、実際にどの様な症状が出てくるのか、一緒に見ていきましょう。

空酔いしないために

まずは、一般的なものとして、乗り物酔いがあげられます。
飛行機での乗り物酔いを「空酔い」と呼びます。
普段から、乗り物が苦手な方は、飛行機に乗る前から不安になっていしましますよね。ましてや車のように、ちょっと降りて休憩、なんてできません。
もともとの体質やその日の揺れにもよりますが、少しでもリスクを減らす為に、対策をしておきたいですよね。

空酔いの予防法

  1. 飲みすぎ食べすぎを避ける
    上空では、気圧の変化により、胃や腸に負担が掛かります。消化の良いものを少しだけ食べておく、くらいが良いです。油の多いものやアルコールの摂取は避けましょう。
  2. 柑橘系の飲み物を避ける
    柑橘系のドリンクはさっぱりしているように見えて、実は吐き気を誘発するとも言われています。不安な方は、オレンジジュースやグレープフルーツジュースは避け、りんごジュースやお茶を選ぶようにしましょう。
  3. ゆったりとした服を着る
    機内では長時間座ったままです。ベルトのある服や、タイトなものは避け、ゆったりとした、締付けがない服がおすすめです。
  4. 前方〜中央の席を予約する
    飛行機に乗る上で、座席選びはとても大切です!構造上、飛行機で一番揺れないと言われている席は、左右に翼がついている中央の席です。それ以外だと、後方は揺れやすいので、前方〜中央付近の席を予約することをおすすめします。
  5. 酔い止めを服用しておく
    前もって、酔い止めを服用しておくのも良いですね。酔い止めには睡眠作用もあるので、気分が悪くなる前に寝られるかもしれません。
  6. 前日もしっかりと睡眠を取る
    飛行機の中で寝たいからと、あえて寝ずに飛行機にご搭乗する方が結構います。が、これが体調不良の元になるので、乗り物酔いが心配な方は、しっかり睡眠を取ってから搭乗することをおすすめします。

✓空酔いの対処法

  1. 酔い止めを服用する
    酔い止めは、体調が悪くなってからでも効果があります!機内にも、用意されていることが多いので、持っていない場合はCAさんに聞いてみてくださいね。子供用の酔い止めもあります◎
  2. 額に冷たいタオルを当てる
    これもCAさんに言えば用意してもらえるはずです。気分がスッキリします。
  3. 衣服を緩める
    ズボンのベルトや、スカートのチャックなど、少し緩めてゆっくり呼吸をしましょう。
  4. 氷を口に含む
    口の中がさっぱりして、自律神経も整うと言われています。

耳が痛くならないために

機内では、特に上昇降下時に耳が詰まり、痛くなることがあります。これは、鼓膜の奥にある中耳という部分が膨張、収縮することで起こります。人によっては顔全体に痛みを感じるほど、激痛が走ることもあるので、事前に予防法を確認しておきましょう。

✓耳が痛くならないために

  1. 耳抜きの練習をしておく
    鼻をつまんで、ふんっと息を耳の方に逃がす、いわゆるバルサバル法というやつですね。耳が詰まっている時に、耳抜きをすると殆どの場合は解消されます。
  2. アレルギー性鼻炎などがある方は病院に行っておく
    風邪やアレルギー性鼻炎などで、鼻が詰まっていると、ほぼ100%耳が詰まります。そしてなかなか抜けず、痛くなりやすいので、予め鼻詰まりの薬を貰っておくと安心です。

✓耳が痛くなってしまったら

  1. 耳抜きをする
    上で解説した、バルサバル法を試してみましょう。上手く抜ければ痛みが解消されます。
  2. 温かいタオルで耳を温める
    子供の頃、プールの授業などで水が耳に入ってしまった時、耳を温めるとじんわりと水が出てくることありませんか?その要領です!機内で用意することができるので、遠慮なくCAさんに聞いてみてください。
  3. アメを舐めたり、飲み物を飲む
    唾液を飲むことで解消される場合があります。耳抜きができない、小さい子供にも有効なので、痛がっている場合にはジュースなどを飲ませてみましょう。
  4. 時間が解決する
    何をしても治らない時、痛いし不安ですよね。しかし、耳が痛いのは上昇降下時の気圧の変化が原因なので、気圧が安定すれば自然に治ります!それでも不調が続く場合には、病院を受診してくださいね。ほかっておくと航空性中耳炎になってしまうこともあります。。
ゆりか

航空性中耳炎とは、気圧の変化で起こる中耳炎です
客室乗務員やダイバーに多く、耳痛や耳閉感、聞こえにくい
といった症状があります。
治療法は普通の中耳炎と同じだそうです。

泥酔しないために

「機内で泥酔なんてしないでしょ」
って思うんですけど、飲みすぎてしまう方、以外と多いんです。
飛行機の中では、地上でお酒を飲むのに比べて3倍酔いやすいと言われています
いつもこれくらい飲んでるから、と思って同じ量飲むのはとても危険です!

飛行機に乗る前に、お酒を飲んで、その時は大丈夫でも離陸して気圧が低くなると一気に酔いが回ってしまうこともあります。

機内で飲むお酒は美味しいですが、上空での1杯は地上で飲むお酒×3と思っておいた方が良いです

貧血について

機内で貧血になる方、とーっても多いです!
長時間座っていると、どうしても血が足の方に行ってしまい、お手洗いに立った時に倒れてしまう、ということが日常茶飯事にあります。
貧血は女性に多いイメージですが、実は、飛行機の中で倒れるのは80%男性です

これは私の見解ですが、女性は普段貧血になりやすい分、自分の体調や貧血の予防、対策に慣れています。しかし、一度も貧血になったことがない男性は、貧血の状態を知らないため、機内でも体調不良なのかどうか分からないまま我慢をし、倒れてしまう方が多いんですね。

そうならないために、ポイントをまとめておきます。

✓貧血にならないために

  1. 前の日はしっかり睡眠を取る
    飛行機の中で寝ようと、前日の睡眠時間を減らしてご搭乗する方が沢山います。気持ちはとっても分かるのですが、、体調は万全にして乗りましょう。
  2. 時々足を動かす
    機内で長時間座ったままの姿勢でいると、どうしても血が足の方に溜まってしまいます。時々、足首を回したり、少し機内を歩くだけでも血の巡りが良くなります。
  3. 血糖値を上げる
    チョコレートなどの甘いものや、ジュースを飲むことで糖分を摂取しておきましょう。血糖値が下がることによる貧血を防ぐことをができます。

✓貧血になってしまったら

  1. 早めにCAさんに知らせましょう
    少し、体調がおかしいな、と思ったらすぐにCAさんに知らせましょう。言いにくい、なんて考えなくて大丈夫です◎貧血の場合は特に、そのまま座っていても治りません。。空席があれば、横になれる席に移動したり、何かしら対応をしてくれます。自分で治そうとお手洗いまで歩いて行ったものの、そこで倒れて頭を打ちそうになったという方を何人も見てきました。
  2. 水分を取る
    予防策でも書いたように、低血糖の可能性もあります。飲めるようなら、ジュースなどを飲んでみるのも手です。

閉所恐怖症について

度合いは違えど、狭い場所が苦手な方は結構います。

ただでさえ狭いところが苦手なのに、飛行機に長時間乗らなきゃいけないなんて、、不安しかないですよね。
そんな方でも、どうしても飛行機に乗らなければいけない時もあると思います。

そんな方は、まず予約の段階で閉所恐怖症であることを伝えてください
当日チェックインをする際にグランドスタッフさんに伝えても大丈夫です◎

なるべく広い席を優先的に確保したり、空席があれば隣の席を空けておく処置をすることもあります。

また、その情報はしっかりとCAさんに伝わるので、体調が悪くなりそうな時には、広いギャレー(飛行機の台所)で休ませてもらったり、発作などが起きないか、都度見ていてくれます。


まとめ

まとめ

飛行機の中は、気圧や酸素濃度が地上と異なるので、体調不良になってしまう方が本当に多いんです。
特に乗り物が苦手な方や、貧血持ちの方などは長時間のフライトはとても不安になるかと思います。
もちろん予防も大事ですが、機内で急に、なんてこともありますよね。

そんな時は、早めにCAさんに伝えましょう!
「こんなこと言って大丈夫かな?迷惑じゃないかな?」
なんて思うことないです

我慢をしすぎて倒れてしまった方が大惨事です。

特殊な環境で不安も多いですが、少し工夫をするだけでとても快適に過ごせることもあります。
皆さんも不安不安、と思いすぎず、是非空の上の世界を楽しんでくださいね。

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